Avarice1776’s blog

マーケティングや仕事に関するTipsや思考について

ワクチンの期待効果を理解していますか?

新型コロナのワクチン。日本では予約の仕方から混乱が生じヤキモキしますが、他国でも最初は同じような感じでした。モノはそろってきているので、すぐに順番が回ってくると思います。ゆっくり待ちましょう。

さて、ワクチンを打つ前にそもそもワクチンの期待効果を理解していますか?

重症化予防は副次的な期待効果

ワクチンを打つのはあくまで個人の判断ですので、ワクチンのメリットも個人のメリットを前面に出さないと、中々ヒトは打つことを決断してくれません。なので、ワクチンを打つことによって重症化予防(その先の死亡回避)を前面に出す情報発信が目立ちます。

しかしながら、ワクチンの最大の期待効果は「集団免疫の獲得」による感染拡大の収束です。

感染拡大は伝言ゲームその遮断の仕組みとは?

 ウィルスの感染拡大とワクチンの感染収束、これは確率の問題と理解してください。ものすごく単純化して考えると、、、

ワクチンが無い時、全ては100%で伝わると仮定した場合。

Case①:あなたが感染者に接触します⇒あなたは感染します(100%)⇒あなたは発症します(100%)⇒誰かに合います。⇒誰かは感染します(100%)⇒誰かは発症します(100%)

といった具合です。当然一人の人が感染させてしまうのは一人ではなく複数人です。この場合5人としたとき、1⇒5⇒25⇒125・・・⇒9,765,625。10回目には1000万人近くになっています。実際には感染拡大中に治る人もいたり、対策により途中の拡大を寸断したりしているのでこんな人数にまで増えてはいません。

次にあなたがワクチンを接種したとしましょう(感染を50%、発症を80%防ぎます)

Case②:あなたが感染者に接触します⇒あなたは感染します(50%)⇒あなたは発症します(50%x20%=10%)⇒誰かに合います。⇒誰かは感染します(10%)⇒誰かは発症します(10%)

二人ともワクチンを接種した場合は、

Case③:あなたが感染者に接触します⇒あなたは感染します(50%)⇒あなたは発症します(50%x20%=10%)⇒誰かに合います。⇒誰かは感染します(10%x50%=5%)⇒誰かは発症します(5%x20%=1%)

となります。

発症後に合うのは複数人なのでCase①の場合、感染は拡大していきます。しかし、一人の発症者が感染拡大するのが10人以下の場合、Case②の場合徐々に感染者は減っていきます。Case③の場合更に加速します。

一般的に集団(日本人)の60%がワクチンを接種するとCase②~③の状態になり、感染は収束していきます。しかし、感染の確率はいつまでたってもゼロにならないことに注意してください。

日常を取り戻す為には集団免疫が必要

以上の様に誰に会っても感染拡大の心配がないところまで免疫を持つ人が増える必要があります。昔のスペイン風邪の様な時はワクチンがありませんでしたので、人々は誰かが死ぬのを横目に集団免疫を獲得するまで、感染が拡大するのを待つしかありませんでした(そういった知識すらなかったですが)。

今は幸いワクチンがあります。ワクチンを打って集団免疫を獲得を急ぐか、黙って様子を待つかは個人の判断にかかっています。